近代フルスの父哏徳全の生家近くにあるフルス誕生の物語を描いた壁画と伝承
 
 

フルス誕生の伝承
勐養江のほとり、竹林は深く、タイ族の若者の岩亮は美しい鳳尾竹を村の近くに植えた。隣村の少女少玉は村の近くにきれいな形の瓢箪を植えた。少玉は心を込めて瓢箪を世話し瓢箪のつるは岩亮の植えた竹を登って行き瓢箪と竹はしっかりと結びついた。岩亮と少玉は知り合うようになり愛し合うようになった。ある日洪水が起こり集落までもが水につかってしまった。岩亮は竹を切って筏を作り少玉は瓢箪を先頭につけて浮きにしようとした。しかし二人は重すぎて筏は耐えられなかった。少玉は愛する人を助けるために洪水の中に飛び込もうと決心した。そして流れの中に消えてしまった。洪水が引いてから岩亮は少玉のことを思いながら毎日筏のそばに佇んだ。ある日さわやかな風がさっと吹くと筏の竹は美しい音を出し少玉の歌声のようだった。岩亮は筏の形のように瓢箪の底に竹を差し込み真ん中の1本に銅片を付けて(タイ族の言葉で銅片為はしっかり記憶するの意味)音孔をあけ、ビーラムダオという楽器を作った。これはいまではフルスと呼ばれている。のちには若い男がフルスで美しいメロ ディを吹いて自分たちの恋人を呼ぶようになり、同時に人々は身をもって愛人を救った少女のことを思い出した。